江戸っ子代表・カシピーの連載トーク
Vol.14 心の師

どうもこの季節、春先から梅雨時ってのは、パットしないね?ここ数年特にさ。何でだろうね?どの時期もパットしないんだけどさ。パーット花見なんかしたりして、スッキリする事もないしなぁ〜まぁ仕方ネェか。


先日4〜5年ぶりに、僕のハーモニカの、師匠の一人、松田"ARI"幸一氏に会ってきた。不思議なもんで、久しぶりな感じが、全然しないんだよね。東京調布の神代植物園の桜フェスティバルと言うイベントのライブコンサートに、出演していた。野外のイベントで、観客は一般のお客さんと言う事もあって、スタンダードな聞き覚えのある曲が中心のセットだったな。僕自身も、昔良く観たり聞いたりした曲だね。バンドは、フィドル、アコギが2人、そして、松田氏のハーモニカとパーカッション。カントリー、ブルース、フォーク、タンゴ、アイリッシュ、松田さんの、音楽の懐の深さのは、いつも頭が下がる。それは、単なるレパートリーとしてプレイされているのではなく、血肉となって、パワーを持っているんだよね、カバー曲でも自分のオリジナルのような説得力がある。弟子と言うより、教え子の一人として、そばにいた数年間は、東京でやる、ほとんどのライブも見ていたし、松田さんが今何を聞いて、どんな曲をやって、どんなオリジナル曲を作って、プレイするのか?その創作の過程を観て感じ取れた事が、僕の原点で、それが無かったら今ここにいないのだ。
ハーモニカの基礎を教わったが、それ以上にミュージシャンとして、どうあるべきか?どう生きていくのか?それを、背中を見て学んだんだ。相変わらず僕は、松田さんの足元にも及ばないが、何か新しい音楽、自分にしか出来ないものを造り出そうともがいている。悩み多き日々だが、なかなか、それも悪くない。遠い道のりだが、ゴールは無いからね。










<プロフィール>
鹿志村茂臣(The Whooligans)

エアコンも直せる、ブルース・ハーモニカプレイヤー。 ちなみに、日本最高のパブロッカーおしょう氏の命名によるブルースネームは "エアコンスリム"、 なかなかCool! ザ・フー・
トリビュートバンド、THE WHOOLIGANSのVo&仕切り担当。 自らのハーモニカ・インスト・ロックバンド、 Battersea Power Stationを率いて東京で活動中。


June 4, 2004

原点回帰の1枚
Compulsion  Yoji yamamoto Collection

「松田"Ari"幸一」。古くは谷村新二との、ロック・キャンディーズで、ベーシストとしてデビュー。アリのニックネームは、谷村氏の姉「蟻んこみたいに、ちっちゃいから」。その後、泉谷しげる&ラストショー、杉田二郎、中村雅俊、アリス、中島みゆき等々、日本のフォーク・ロックシーンの、黎明期を支えたミュージシャンの一人。現在もスタジオ、ライブでセッションマンとして活躍中。このアルバムは、デザイナー、ヨージ・ヤマモト氏の1991年、パリコレ用の音楽。松田さんのラストショー時代からの盟友、Dr.Kことギタリスト徳武博文氏との、コラボレーションアルバム。徳武さんの部分は、申し訳ないが普通だな。しかし、アリちゃんの曲は、最早ジャンル分け不能(不要)の音楽がここにはある。ジャンル、カテゴリー、スタイルにこだわることが、いかにつまらい事かを、教えてくれた1枚。そして、いかに多くのミュージシャンが、ジャンルやカテゴリーに身を置いていないと何かを、作り出せないかと言う事を逆説的に示してもいた。白状すれば、僕のバンドの初期において、このアルバムの曲を完全に念頭においてプレイしていた部分もある。それすら、ジャンル分けじゃないのか?依然として、ここからの呪縛から逃れられないのか?自由に、何の束縛も無く創作できるはずが、自分でスタイルや、ジャンル、カテゴリーを決めて窮屈になっていくんだ、大抵の場合。自分が、ミュージシャンだのアーティストだの言い張るならば、どこかにある突破口を探さないとならない。"最終出口"は永遠に見つからないかもしれないが、それすらも次のステップへの過程なのだ。

 

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