江戸っ子代表・カシピーの連載トーク
Vol.13 SOMETIME BLUES

自分がちゃんと演奏していこうと思ったのは、ハーモニカを吹くようになってからだ。(それ程たいそうな物じゃないが)、その前は、とてもバンドマンなんて言えるようなモンじゃなかったしね。その頃は、今よりも真面目に練習してたし、ひたすらハーモニカの入っているレコードだのCDだの聴き漁ってたもんね。意外と詳しいんだぜ、ブルースだってさ。最近の俺しか知らない人は、分からないだろうけどさ。

以前も書いたけれど、ブルースのレコードやCDは、ほとんど処分してしまった。ビッグネームは、廃盤にならないからいつでも買えるし。だから、手元にあるのは、世間的にはマイナーなハーモニカプレイヤーのものが多い。ストーンズの「Miss You」でお馴染み、Sugar Blue。今のブルースシーンでは、実力折り紙付きのBilly Branch。マイナーハーモニカを世間に知らしめた男Lee Oskar、ディランの「Blond On Blond」にも参加している、カントリースタイルの名人Charlie McCoy。メロディック&スピーディー、サンフランシスコの、Norton Buffalo。白人ロッキン系でいけばThe Night Hawksの、Mark Wenner、ハーレー乗ってんだよ、バックできるやつ。アイリッシュだと、Brendan Power。アルゼンチンタンゴなら、Hugo Diaz。ブラジルだとさぁ〜って、切りがネェな。ビッグネームで言えば、James Cotton。やはり「Cotton100%」は、ファンク・ブルースの名盤だ。もちろん「Live On The Move」は、外せないな。ハーモニカプレイヤーって、ブルース以外じゃマイナーな存在だな、やっぱ。Sonny Boy Williamsonはさぁ、The Whoの「Eye Sight To The Blind」の、オリジナルなんだな。Little Walter初めてハーモニカをアンプリファイドさせた男、彼がいなかったら今のハーモニカスタイルは存在しない、誰も辿り着けなかったはずだ。Jr. Wellsあのいなたいスーツ姿,Buddy Guyとのコンビは、最強だ。コンビと言えば、Howlin' Wolf とHubert Sumlin だな。Carey Bell,息子はジャンキーだがそうだが、ギター弾くとちゃんとしてるそうだ。あぶさんか? George Smith, Big Walter Horton, Mojo Buford,ここまで来ると、わかんネェだろうな。 Paul Butterfield は俺のアイドルだ。Jerry Portnoyこいつは90年代の、クラプトンとやってるんだよね、Muddyのバンドの、最後のハーモニカプレイヤー。で、思ったら、ほとんどMuddyのバンドの出身だ。やはり、ブルースー〜シカゴスタイル〜ハーモニカ(アンプリファイド)と言えば、Muddy Watersを避けて通れないな。MuddyのCDなんか、「Woodstock Album」しか持ってないんだな。これのButterfildは、名演だぞ。「Last Waltz」のButterfildが良いなんて言ってる奴は、もぐりかハーモニカもブルースも知らない奴だからな、動いているってことじや貴重だがね。Muddyのアルバムでどうしても手元から離せない物、P-Vineから出た「Muddy Waters The Chess Box」1947~1967の11枚組み、初めて買った箱モノかな。多分、今となってはCDで、揃うような音源なのかも知れないけど。弾き語りから、強烈なアンサンブルのシカゴスタイルまで、堂々としていて揺ぎ無いMuddyの唄と存在感がある。サウンドもまさに、ストーンズの憧れた、シカゴ・チェス・サウンド。ハーモニカプレイヤーを追っただけで、あれだから他のメンバーを絡めたらブルース王国の縮図だ。更に、その影響をブリティッシュロックまで広げたら孫子の代まで、永遠に続くぞ。Fleetwood Mac, John Mayall, Savoy Brown, Chicken Shack, ブリティッシュ・ブルースは、直系の子孫だし。Stones, Who, Kinks・・・ブリィティッシュ・ロックへの影響は言わずもがな。そうだね、俺ですら、Muddy Watersの影響下にあるわけだ。しかし、Muddy・・・顔デカイぜ!

<プロフィール>
鹿志村茂臣(The Whooligans)

エアコンも直せる、ブルース・ハーモニカプレイヤー。 ちなみに、日本最高のパブロッカーおしょう氏の命名によるブルースネームは "エアコンスリム"、 なかなかCool! ザ・フー・
トリビュートバンド、THE WHOOLIGANSのVo&仕切り担当。 自らのハーモニカ・インスト・ロックバンド、 Battersea Power Stationを率いて東京で活動中。


March 24, 2004

今回の1枚
SOMETIME BLUES / Kazuo Takeda

竹田"フラッシュ"和夫の、82年録音の、ソロアルバム。デビューのブルース・クリエイションは、まさにブルースナンバーを、取り上げていたが、後のクリエイションでは、ブルースをベースにしたロック、時代を睨んで、フュージョン。歌モノでは、「ロンリーハート」のヒットもあった。紆余曲折を経て、辿り着いた自分自身の、ルーツミュージック。タイトル通りのブルースアルバムで、超有名曲「Home Work」「Red House」「Mojo Working」「Walking The Dog」などに、数曲のオリジナル。その後の、Boy's On Rocksにも、良い曲があったが、リラックスした雰囲気の中にも時々"フラッシュ"のあるこちらがお勧め。ロンドン録音で、KinksのBob Henrit、Nine Below ZeroのMark Feltham、クマ原田氏などが手堅いサポートをしている。ジャケットもロンドン!ッテ感じで心をくすぐる。でも実は、一番気に入ってのは、帯に書いてあるタタキ文句。「俺はいつかブルースに還る」最高だな。俺もいつかそんな事が言える身分になってみたいものだ。

 

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