江戸っ子代表・カシピーの連載トーク
Vol.11 With Obiは世界共通語

僕らぐらいの年齢のロックファンは、「初回、日本盤、帯び付き」ってのが、垂涎の的だった世代だと思う。あんな、薄っぺらいたすきが付いてるだけで、何千円、ひどけりゃ何万も違うんだから、物の価値ってのは分からんな。最近は、益々凄いことになってて、目も眩むね。いかがなものか?ねぇ?そういゃ、海外のディーラーのリストにも(With Obi)なんて書いてあるぐらいだかんね、帯は不滅かな?

元々、オリジナル盤にこだわるタイプではなく、聞ければなんでも良かったのですが、ここ10年ぐらいで少し考え方が変わってきた。今のうち買わないと、値段が上がって買えないな〜なんて、思ってたのと同じ頃、Daimyoバンドのギタリスト、日戸"Dr.Rock"修平さんの、先輩S氏の家で、レコードを聞こうと言うことになった。S氏は、オーディをマニア&ロック好き。1940年代のアメリカの映画館用サウンドシステム、ウエスタン・エレクトリック社のオーディオシステムを持っている。修平さんはすでに、そこで年中レコードを聴いているので「あそこの音は、最高だ〜」と言っていて、ならば皆で行こうということになった。とりあえず、Yardbirdsの「Five Live」を聴いたんだが、凄い、目から鱗どころの話じゃない!俺の知ってるレコードじゃない!あの1曲目の「Good Morning...」クラプトンのしょぼいイントロが、嘘のよう。バンドが一斉になだれ込んでくる瞬間は、まさにパンク!あれを、目の前で見てたら、ロンドンっ子はびびるぜ!あの、レコードの印象が一発で変わった。更に、King Crimsonの「21st..」慣れ親しんだアルバムだが、臨場感、奥行きと、音圧、まさに目の前で演奏しているかの如し。更に、Beatlesだの、Kinksだの、オリジナルUKモノ、US盤、日本盤など聴き比べると明らかにみんな音が違う!これは、ステレオ(再生装置)が良いと言うこともあるだろうと思って、後日試しに、家のしょぼいステレオで、Beatlesのイエロー・パーロフィンの「Please Please Me」を、聞いたがやはり違う。カッティングレベルが違うから、音圧もあるし、音が歪んでるもんな、当時の若者は、あれを聴いたらぶっ飛ぶぜ、本当に。コレクターが、モノラル盤にこだわるのも分かるわ。これが70年代になって、ステレオ盤になってくるとそんなに差が無くなって来るんだけど、日本盤は相変わらずレベルが低くて、よく言えば上品、悪く言えば全くガッツのない、ロックっぽくない音なんだな。所が、Led Zeppelinの「聖なる館」の、何度目かの日本プレス、多分中古屋で5〜600円で、売ってるような、何の変哲も無い奴、UKオリジナル盤よりパワフルで音がデカイ!謎だ?世の中何が起こってるか分からんぞ。しかし、オリジナルUK盤は、益々値段高騰、Beatles、Who、Stones,Kinks,なんかもう買えないな。あそう言えば、修平さんとHumble Pieの、「Eat It」の、CDをかけてから、アナログ聞いたら笑ったな。CD、誰が聴いても分かるほど音悪いんだもん。最低だわ。初期のCDって、大体アナログLP用のマスター使って、ただCDにしてただけだもんね。デジタル・リマスター全盛の昨今、オリジナル盤の雰囲気に近づける作業は、大歓迎。やらざるを得ない作業だと思うけど、ロックファンを自称する方々は、自分の好きなバンドの本国オリジナル盤、1枚ぐらい持っててもいいかもね?ジャケットにも、風情があるしさ。いくら、リマスターされたいい音と言っても、それは、今の"いい音"なのかな?と。最初のサウンドは、ミュージシャンがそれでOKを出した物だしね。自分の耳で確かめてみるのも悪くない。あんまり高額なものは、ゴメンだけどね。

<プロフィール>
鹿志村茂臣(The Whooligans)

エアコンも直せる、ブルース・ハーモニカプレイヤー。 ちなみに、日本最高のパブロッカーおしょう氏の命名によるブルースネームは "エアコンスリム"、 なかなかCool! ザ・フー・
トリビュートバンド、THE WHOOLIGANSのVo&仕切り担当。 自らのハーモニカ・インスト・ロックバンド、 Battersea Power Stationを率いて東京で活動中。


Feburuary 21, 2004

今回の1枚
PHISH 「Hampton Comes Alive」

グレイトフル・デッド亡き後、90年代のジャムバンドシーンを牽引する旗頭フィッシュ。彼らの持ち味は、当然ライブ。連日3〜4時間に及ぶステージは最早、常識。一昨年のフジロックでも「最低3時間やりたい」とのメンバーの希望で、サブステージが選ばれたほど、ライブには自信と定評がある。実際スタジオ盤よりライブ盤のほうがお勧めだ。現在ライブシリーズがリリースされているので、まぁ、そのどれでも、高水準の演奏が楽しめると思う。数年前までは、毎年10月31日のハロウィーンに、ロックの名盤を1枚カバーしたりしていてなかなか面白い。ビートルズ「White Album」、ピンクフロイド「狂気」、ザ・フ−の「四重人格」などが、前述のライブシリーズで、聴く事ができる。今回紹介したのは、98年の11月20、21日の公演を納めた6枚組、タイトルは当然ピータフランプトンの出世作に、引っ掛けたんでしょうね。

フォークロック、カントリー、ファンク、ジャズまで飲み込んでごちゃ混ぜにしたテイストは、好き嫌いあると思うが、テクニカルというよりあくまでハイスクールバンドが、そのままデビューしちゃった感じが、ものすごく好感が持てる。インタープレイの突き抜けるような爽やかさは、まさにアメリカのバンド!

 

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